表題番号:2018B-144 日付:2019/02/07
研究課題2次元非ガウス確率場の拡張と点検・検査結果への同化による鉄筋腐食分布の推定
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 秋山 充良
研究成果概要

本研究では,まず,RC部材の電食実験と,そのX線撮影・ディジタル画像処理により,RC構造物内の鉄筋腐食分布がどのように進展・成長するのかを理解した.X線撮影には,比較的規模の大きいRC部材をそのまま収容できる装置(早稲田大学所有)を使用した.

次に,鉄筋腐食分布の連続的な変化を2次元非ガウス確率場にてモデル化した.Lehigh大学のProf. Bocchiniの研究グループにおいて開発が進められている行列型非ガウス確率場を応用した.本モデルは,離散的に配置された鉄筋の腐食分布の表現に適しており,計算式で必要となるパラメータを前述の実験結果に基づき決定した.

最後に,既存RC構造物から得られる数点の鉄筋腐食量に応じて,鉄筋腐食分布の絞込みを行った.鉄筋腐食量の測定位置とその鉄筋腐食量の測定結果を与え,更新理論を介することにより,点検・検査結果に応じた鉄筋腐食量の分布を同定した.数点の鉄筋腐食量の点検・検査結果から,大規模なRC構造物全体に拡がっている鉄筋腐食分布を出力できるようにしたのが本研究の成果である.