表題番号:2018B-095 日付:2019/04/07
研究課題自然界における捩れ・渦・回転の協同運動の解明と予測
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 柳尾 朋洋
研究成果概要
本研究では,ミクロからマクロまで,自然の各階層で生じる捩れ,渦,回転の協同現象を,非線形力学,統計力学,幾何学の観点から理論的に解明し,予測することを目的とした.特に,らせん構造を基本モチーフとする生体高分子の「回転」機構の新たなモデルの構築を目指して,らせん型フィラメントの上を捩れの波動が伝播することによって生じる幾何学的な角度変位の機構を明らかにした.また,分子系および天体系の基本モデルとして重要な3体問題に着目し,3体系の周期的な変形運動から生じる幾何学的な角度変位を,慣性主軸のキネマティクスの観点から定量化した.また,時間遅れ座標の手法を用いて,原子集合体の協同的かつ突発的な構造変化の前兆を捉え,この前兆が原子集合体の捩れ運動から生じる構造変化の駆動力の振る舞いと対応していることを明らかにした.