表題番号:2018B-050 日付:2019/03/31
研究課題エジプト初期王朝時代における石製容器の石材供給システムの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 助手 竹野内 恵太
研究成果概要

エジプトが初期国家に到達する初期王朝時代に、石製容器は全副葬品の20%を占めるほど大量生産され、国内で広く産出する石材の高度に組織的な供給システムがあったと想定できる。

 本研究では、その供給システム解明の足がかりとして、石製容器の使用石材の整理と製作技法の解明から、石材産地での粗割加工―未成品の生産地への供給プロセスを考察した。その結果、①石材の性質・硬度に応じた器形へ粗割が行われ、②大型品は首都圏域のメンフィス―アビドス地域へと供給されていた。③第2王朝になると、地方の有力者にも大型品が供給されたようであり、製品および未成品ともに供給先の社会的階層性に応じた「序列的供給システム」が存在していた。