表題番号:2018B-004 日付:2019/04/11
研究課題自省的な社会の憲法的構想――プレスの自由を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 川岸 令和
研究成果概要
 本研究は、情報の豊富で自由な流通がもたらす討議され熟慮された意見が公共の意思決定の基礎とされる自省的な社会の憲法秩序を理論的かつ実践的に構想することを目的としている。インターネットは個人に対多数人への意見表明を可能としており、マスメディア状況下での表現の自由のあり方を根本から変革している。個人の自由な表現機会の価値を失わず、しかし、個人の感情や嗜好ではなく、討議によって熟慮された意見が民主的な意志決定の基盤を形成するための条件は何か。その1つに、氾濫する情報に意味づけを与えるプレスの存在がある。比較憲法的視座から、制度としてのプレスおよび個人の表現の自由との関係について考察を進めた。