表題番号:2018A-037 日付:2019/03/28
研究課題炭素-炭素結合開裂を起点とした新規な多環式芳香族炭化水素の効率合成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柴田 高範
研究成果概要

遷移金属錯体による炭素-炭素結合開裂を起点とする反応は、比較的単純な化合物から複雑な炭素骨格を構築できる原子効率が高い合成変換である。炭素-炭素結合活性化の手法として最も汎用されるのが、小員環の環歪みの解消を駆動力とする方法であり、例えば、四員環のシクロブタジエンに2つのベンゼン環が縮環したビフェニレンは、典型的な基質である。本研究では、配向基かつ反応部位としてアルケン部位を有するビフェニレンを用いた分子内反応を検討した。その結果ロジウム触媒を用いることで、所望のより混み合った炭素−炭素結合が開裂し、引き続きアルケンが挿入することで分子内 [4+2]付加環化反応が進行することを見出した。