表題番号:2018A-033 日付:2019/03/14
研究課題炭素-窒素結合切断を起点とする脱芳香族的官能基化反応の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 武藤 慶
研究成果概要
多置換脂環式化合物は豊かな3次元骨格をもつため、創薬研究で需要の高い骨格である。本研究では、そのような脂環式化合物合成の新手法として、ベンジルアミン類を出発物質とし、脱芳香族的官能基化を鍵反応とする合成法の確立を目指した。ベンジルアミンのアミノメチル基は種々の芳香環修飾反応におけるよい配向基として機能するため、位置選択的な化学修飾が可能である。この利点を生かして置換様式の定まったベンジルアミン類を脱芳香族的に官能基化できれば、ベンジルアミン類をテンプレートしてモジュラー式の多置換脂環式化合物合成法となると考えた。そこで、これまでに見いだしたベンジルアルコールのC-O結合切断を起点とする触媒的脱芳香族的アリル化反応を参考に、ベンジルアミン類のC-N結合切断を伴う手法の開発を行った。反応条件を探索した結果、ベンジルアンモニウムとアリルスズとの脱芳香族的アリル化を進行させる触媒的条件を見いだした。ベンジルアミン類の位置選択的化学修飾、続く本脱芳香族的アリル化を用いて、実際に立ち感脂環式化合物合成法の確立も行った。