表題番号:2018A-032 日付:2019/02/01
研究課題低環境負荷型合成プロセスによる超高屈折率ポリマーの創出
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小柳津 研一
研究成果概要

本研究は,申請者らが見出した芳香族ジスルフィド類の酸化重合をさらに追究し,ポリフェニレンスルフィド誘導体をはじめとしたポリチオエーテル高分子の革新的合成法として幅広く確立するとともに,低環境負荷かつ省エネプロセスでの芳香族系耐熱性高分子材料の合成法として定着させることを目的として展開した。特に,従来にない透明かつ高屈折率の機能性光学樹脂を創出することを目指した。この結果,従来の芳香族求核置換反応機構に基づく重縮合では困難とされたアルキル置換基を有する新規PPS誘導体が酸化重合で簡単に合成できることを確立した。これらが完全非晶質の耐熱性固体を与えることを明らかにし,熱特性を兼ね備えた透明光学樹脂としての展開と合わせ,関連する無定形高分子固体における電荷・イオン輸送の解明にも役立つ知見を得た。