表題番号:2017S-113
日付:2018/04/09
研究課題SDF-2の機能解析に基づいたオキサリプラチン耐性機序の解明
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助教 | 田中 昌子 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 教授 | 合田 亘人 |
- 研究成果概要
- オキサリプラチンは腫瘍の縮小効果が高い抗がん剤である。しかし、早期に耐性が生じるため、耐性の解除が化学療法における重要な課題である。申請者はこれまでにキサリプラチンの新規耐性因子としてStromal cell-derived factor 2 (SDF-2) を同定した。しかし、SDF-2が耐性を生じさせる分子機構については明らかにできていない。そこで本研究はSDF-2の分子機能の解析を中心に、オキサリプラチンの耐性機構の解明を目的とした。その結果、SDF-2はオキサリプラチンだけではなくツニカマイシンやタプシガルギンといった小胞体ストレス (UPR) の誘導剤によってもタンパクレベルが上昇することから小胞体におけるストレス応答に関与している可能性が示唆された。しかし、このタンパクレベルの上昇は遺伝子発現を伴わないこと、またSDF-2のノックダウンがUPRシグナルに影響を与えないことから、SDF-2がUPRを直接的に制御して耐性を生じさせている可能性は低いと考えらえる。