表題番号:2017S-054 日付:2018/03/27
研究課題近世中期における江戸俳諧と歌舞伎との相互交流・影響関係解明の基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助教 稲葉 有祐
研究成果概要

  本研究では、元禄期から享保・寛延期にかけての江戸俳諧と歌舞伎との相互的な人的交流・影響関係について、俳書・随筆や日記、評判記類の精査を通じて考察した。元禄期では、江戸俳壇の代表格であった其角を中心として交友関係等を整理、また、舞台での演出を題材にした句をはじめ、楽屋での交流を詠んだ句など作品からも多彩な用例を見出すことが出来た。江戸の役者の上京についても文化・社会事象を踏まえつつ検討した。享保・寛延期では、其角門流の江戸座の俳書を中心に調査を進めた。特に貞佐門流の重要性について、彼らと役者達との密接な交流をもとに考察した。また、沢村宗十郎の事績を俳諧というジャンルから炙り出す試みをした。