表題番号:2017S-036 日付:2018/04/08
研究課題自閉症モデル系統マウスにおける随意行動と結果との随伴性に対する感受性の検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 神前 裕
研究成果概要

自閉症スペクトラム障害の基礎的メカニズムとして、事象間の随伴性判断に障害が見られるか、マウスモデルを用いて検討した。道具的条件づけ手続きを用い、レバー押し行動と餌報酬との間の随伴性を操作し、随伴性操作に対する行動の感受性を自閉症モデル系統のBTBT T+/tfマウスと標準的なC57BL/6マウスにて比較した。実験12において、異なる種類の強化子を用いてレバー押しを訓練したが、いずれにおいても、 C57系統に比べ、BTBR系統では 訓練に用いた間欠強化スケジュールでの要求反応比率を上昇させると反応が維持されなくなり、安定した反応率を維持する事が出来なかった。実験3ではFR3での最小限の訓練後、強化子低価値化手続きを用いて、行動に伴う結果表象の有無を検証した。BTBR系統では低価値化の効果が傾向として認められたが、統制群であるC57系統で低価値化効果が見られなかった。いずれの実験においても、実験手続きの更なる改良が必要であることが明らかになった。