表題番号:2017S-034 日付:2018/04/09
研究課題20世紀フランス哲学における「経験」概念の問い直しとその現在的意義
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 西山 達也
研究成果概要
本研究を遂行するにあたって、私自身がこれまで研究してきた「翻訳の思考」という主題を改めて問い直すことから出発した。すなわち、これを自己の帰属する歴史的・言語的地平の限界の「経験」を巡る思考と再規定し、そのうえで「経験」概念に照準をさだめ、20世紀フランスにおいていかなる形で「経験」概念の再構築がなされたかを検討した。本研究がとりわけ注目したのは、20世紀中葉のフランス思想を理解するうえで貴重な資料であるRecherches philosophiques誌における様々な思想家の論攷(レヴィナス、コジェーヴ、バシュラール、カイヨワ、等)であり、ここで展開した諸思想のなかから、「経験」をめぐる新たな思潮がいかにして萌芽したかを追跡することができた。