表題番号:2017S-029 日付:2018/04/08
研究課題地域アイデンティティの再構築から見る地方における災害の被害と復興
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 助手 野坂 真
研究成果概要
大槌町を中心とした事例分析のため、復興・防災に関わる組織や主体へのヒアリングなどを行った。結果、地域アイデンティティ(防災上の教訓、生活の知恵、地域振興に携わった経験等、地域で共有されてきた記憶)に関して、震災前は世代間の役割分担と、そうした役割分担が可能となる地域組織への段階的なリクルートの仕組みが暗黙の共通認識として成り立っていたが、震災により居住地域が分散し成り立ちにくくなったこと、しかし、町内会の規約変更など制度面で工夫しつつ、地域防災や祭り、慰霊などで実働することで「先の世代や自分たちの経験を後世に継承する・地域外に発信する」という共通認識が再構築されつつあることが観察された。