表題番号:2017K-384 日付:2018/04/09
研究課題ストラヴィンスキーの創作プロセスにおける着想段階と全体性構築段階各々の視点
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 助教 池原 舞
研究成果概要
ストラヴィンスキーの創作の初期段階で書かれたスケッチに小さな紙片が多用されているのはなぜか。本研究は、狭義にはこの問いに応えることを、広義にはこうした一次資料の物質的な痕跡から「作者」の思考の変化を客観的に観察することがどこまで可能かを探ることを目的とした。生成プロセスの再構築から浮かび上がったのは、五段階にわたる階層的な生成と、ミクロなものからマクロなものへと広げられていった「作者」の「視点」である。紙の大きさを限定することによって、最終的に「部分」となっていくような小単位の音楽を「全体」の時間構造から切り離し、短い時間での出来事として完結させるために創作思考を集中させるという戦略だった。