表題番号:2017K-370 日付:2018/03/15
研究課題カジノ導入をめぐる諸問題
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 川田 泰之
研究成果概要
長崎県・北海道はともに魅力的なIR構想を提示しているが、いずれも交通アクセスの整備などの課題を抱えている。IR、特にカジノに対する賛否を議論する際には、IRの功罪を列挙するのみでなくて、賭博罪の保護法益との関係を意識した議論が必要となる。「国民の健康」を法益と解するならば、経済効果などは度外視して、依存症対策に主眼を置くべきである。現行賭博法制を前提とする限り、「国家(自治体)の財政」を法益と解するほかないが、その立場からは、税収を上げる事業展開であれば何でもが正当化されるおそれがある。近々に成立が見込まれるIR実施法などによって、諸問題への対策がどの程度講じられるかに注目が集まる。