表題番号:2017K-336 日付:2018/03/31
研究課題サンフランシスコ講和条約体制における国際法秩序を巡る日米中関係
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 池島 大策
研究成果概要

サンフランシスコ講和条約は日本にとって全面的講和ではなく片面(単独)的講和であったため、旧ソ連(今のロシア)、中国(台湾を含む)、韓国といった隣国と日本との二国間関係の正常化という課題が長らく日本外交や東アジアの秩序形成に残されることになった。ロシアとの北方領土問題、中国(台湾)との尖閣諸島問題、そして韓国との竹島問題は、条約の第三国に対する効果に関わる典型的なケースとして単なる法律論だけではない困難な対応と手法の組合せを関係当事国に要求する。その意味で厳密にいうと、戦後の日本を取り巻く東アジアには平和秩序は構築途上か未完成のままの懸案として残り、日米中の三か国を未だに緊張状態に置いている。