表題番号:2017K-227 日付:2018/04/09
研究課題層状ケイ酸塩を用いた蒸気拡散法によるタンパク質結晶化制御とそのメカニズムの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 小堀 深
研究成果概要
 本研究は、層状ケイ酸塩を添加した蒸気拡散法により、タンパク質の高品質結晶を得ることを目的とした。対象タンパク質の鶏卵白リゾチーム(以下LZM)をpH4.5で一定とし、20 ℃で一定時間静置し、任意の時間ごとに光学顕微鏡で観察した。
 はじめに、層状ケイ酸塩の添加の有無による影響を比較した。無添加系では、結晶数は一定でなく粒径も不揃いであった。一方、層状ケイ酸を添加した場合では、得られる結晶数は1つに減少、安定化した。また、その結果粒径は増大した。
 さらに配向性への影響を考察すると、層状ケイ酸塩の添加によって六角形型の結晶析出がほとんどを占めることがわかった。これは、層状ケイ酸塩がタンパク質を収着し{110}{101}面方向の成長と結晶の析出を制御していると考えられる。