表題番号:2017K-213 日付:2018/04/04
研究課題脱塩プラントのかん水を利用したCO2鉱化に関する基礎研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 中垣 隆雄
研究成果概要
海水淡水化による廃液かん水中Mgを用いたCO2固定化プロセスを検討した.本プロセスでは,まず,蒸発濃縮によりかん水からCaSO4・2H2Oを析出分離する.その後,HCl添加によりNa・Kを塩化物として析出分離する.HCl生産に起因するCO2排出削減のため,低水和数MgCl2添加によりHClを回収する.回収後,Mgスラリーの一部は乾燥により再利用され,残りはCO2固定化に利用される.
蒸発濃縮,HCl添加,HCl回収の各操作を実験とAspen Plusの計算により検証した.本プロセスを世界の淡水化工場に適用した場合,CO2固定化量は年間約161Mtであり,同時に生産される淡水,石膏,塩,骨材の上市により,CO2固定化1tあたり213~373ドルの歳入が見込まれる.