表題番号:2017K-166 日付:2018/02/19
研究課題層間高じん性化CFRP積層板の面外疲労特性に及ぼす内部欠陥の影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 川田 宏之
研究成果概要
本研究では層間高靭性化CFRP積層板(T800S/3900-2B)の面外方向(Z方向)疲労特性に及ぼす内部欠陥の影響を評価するため,応力比R=0.1にてZ方向疲労試験を実施し,ボイド等の内部の初期欠陥が積層板のZ方向疲労寿命に及ぼす影響の調査を行った.成形条件を変えることで積層板の空洞率や最大ボイド長さを変えた2種類の積層板を用いた.なお,空洞率や最大ボイド長さは試験片の端面観察および3次元X線CT装置を用いた内部観察により測定した.Z方向疲労試験を行った結果,本研究の範囲では初期欠陥の条件による疲労寿命の差異は見られないこと,試験片の表面性状を変化させた場合でも疲労寿命に差異は見られないことが明らかとなった.破壊力学的には脆性材料である本試験片の疲労寿命は最大ボイドの長さに大きく影響を受ける.しかしながら,本研究で用いた積層板はいずれも最大ボイド長さが2mm以上と大きい.したがって,内部欠陥や表面性状が疲労寿命に及ぼす差異が確認されなかったと示唆された.