表題番号:2017K-157
日付:2018/02/21
研究課題非財務情報の価値関連性と株価形成への影響の分析
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学学術院 大学院経営管理研究科 | 教授 | 竹原 均 |
(連携研究者) | 商学学術院 | 教授 | 首藤 惠 |
- 研究成果概要
研究期間内において,以下の2種類の研究を実施した.
[1] Corporate Social Performanceと経営者業績予想, 株式市場の反応
経営者業績予想の精度とCorporate Social Performance (CSP)の関係を調査するとともに, 業績予想に対する株式市場の反応について実証分析を行った. 実証分析の結果, CSPの高い企業ほど経営者予想における予測バイアスが低いことが示された. したがってCSR活動は透明性・信頼性を高め, 結果として企業の持続的成長につながる可能性があることが示唆された. またCSPの高い企業ほどインプライド自己資本コストは低く, したがって資本市場における株価評価にもCSPが織り込まれていると言える.[2] 企業の技術競争力とCorporate Social Performance,Corporate Social Performance
特許情報を用いて企業の技術競争力を測定し, 企業の技術競争力, Corporate Social Performance (CSP),Corporate Social Performance (CFP)間の相互関係を構造方程式モデルを用いて分析した. 実証の結果, 技術競争力が高いほど企業のリスクは低いが, このような技術競争力とリスクの負の相関は, CSPを媒介変数として説明されることが示された. すなわち研究開発投資に積極的な企業は, 資本市場において投資家からの信頼を獲得するためにCSR活動にも積極的であり, その結果として市場におけるリスク評価が低下するものと考えられる.