表題番号:2017K-146 日付:2018/04/09
研究課題損害保険類似の金融制度に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 中出 哲
研究成果概要

リスクの巨大化のなかで、保険デリバティブ、キャットボンドなどは、損害保険以外の代替的リスク移転手法として重要である。それらは、損害査定の時間とコストが必要でなく、利点があるが、多くの難点も存在する。最も重要であるのは、実際に生じた損失と給付との関係である。全く損失がない場合の利益の発生は、リスク移転という観点からは無駄であり、一方、損失が生じるが給付が得られないというベーシス・リスクが存在する。従って、トリガーイベントの設定が極めて重要であるが、容易でなく訴訟にもなっている。対価の算定も容易でない。安全サイドにたって効率的な対価設定がなされない問題もある。法的分析を含め、更に研究が必要である。