表題番号:2017K-117 日付:2018/02/23
研究課題中近世ヨーロッパの身分制議会における君臣間の合意形成プロセスの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 堀越 宏一
研究成果概要

 バール=ロレーヌ公領三部会について、15世紀までの時期に関する先行研究と古文書史料の分析を行い、両公領における身分制議会の活動を、その成立と課税承認を中心にして検討した。ロレーヌ公とバール公を兼任したアンジュー家出身のルネ1世期に、政治的混乱により同公の権力が低下するなか、1437年に最初の両公領合同三部会が開催され、当時、ブルゴーニュ公フィリップ・ル・ボンに捕らえられていたルネ1世の身代金支払いに充てるための援助金徴収が議決された。この1437年三部会とそこでの課税承認議決が、これ以後も人々の間に強い印象を残し、両公領の三部会に対するその後の基本的な雰囲気を醸成することとなった状況を確認した。