表題番号:2017K-092 日付:2018/02/17
研究課題劉歆の「七略」と儒教一尊に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 渡邉 義浩
研究成果概要

  「古典中国」を成立させる思想史の中では、儒教の一尊を定めた劉歆の「七略」が、きわめて大きな意味を持つ。劉歆の「七略」は、『史記』の「六家の要指」への反発から書かれ、諸子を儒教のもとに整理したものであった。こうした思想史的展開は、漢の中央集権を背景としながら進展した。それは、『漢書』によって漢の全盛期の武帝に仮託されながらも、実際には前漢の衰退期に展開されたものである。かかる思想界の動きを受けながら、王莽によって儒教の経義が現実の政治へと反映されていくのである。