表題番号:2017K-059 日付:2018/03/13
研究課題戦国大名権力における意思決定手続きの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 久保 健一郎
研究成果概要
 本研究では、戦国大名権力が訴訟・戦争・外交などにおいて、どのように意思決定していったかを追求する一環として、大名の隠居・当主の関係を検討した。
 その結果、戦争・外交において、隠居はしばしば当主に相並び、あるいは当主よりも大きな権限を振るっていることなどが明らかになった。訴訟を含め、さまざまな場での隠居・当主の関係をみても隠居が優位であることが多いが、当主の存在もまた重要であることも示した。以上のような事態は、従来、隠居が権力を手放さないといったレベルで捉えられていたが、本研究では、当主権力を隠居・当主が分割・分担しているものと考えた。この点、大名権力の意思決定研究における成果といえる。