表題番号:2017B-351 日付:2018/04/05
研究課題墳墓画像による3~5世紀における中国西部地域の民族状況の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 三崎 良章
研究成果概要
 本研究ではまず中国西部地域に位置する甘粛省高台の墳墓画像に見られる建造物に着目し、3~4世紀の高台には堅固な土壁で構築された「塢」と称すべき住居が存在したが、それは漢族と非漢族が共存し、戦乱が多発した同時代の中国西部地域の政治的・社会的不安定さに対応したものと推測した。さらに中国西部地域の中でも3~5世紀の出土した墳墓画像の数が最も多い河西の墳墓画像の性格を検討し、河西の墳墓画像は横30~43㎝×縦15~21㎝×厚さ5~6㎝程度の大きさの磚に完結する画像を描くことが中心であることを確認した。その上で、墓主の画像は権威性が小さく、生活性が高いという特徴を持つことを明らかにし、それが西部地域の諸民族の人物画像につながるという見通しを得た。