表題番号:2017B-279 日付:2018/04/06
研究課題変動気候下の生産力の不安定性を考慮した地球の人口扶養力の定量評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 太田 俊二
研究成果概要
本研究課題では,地球の人口扶養力を定量的に評価するために,研究代表者らが開発した植物生産力モデルを用いて,全球スケールでの自然植生の総一次生産力(GPP)を推定した。植物生産力モデルに入力する気候値としてNCEP/NCAR再解析データを用いたところ,GPPは2001–2010年の平均値で148 PgC year–1と推定された。この推定値はこれまでに報告されている他のモデルや衛星観測などの数値より少し大きかったものの,気候の年々変動に対応した生産力の変動をうまく捉えられていた。植物生産力モデルに入力する気候値をMIROC気候モデルの出力値に替えて同様のシミュレーションを行ったところ,全球でのGPPは129 PgC/yearと推定され,先行研究とよく一致した結果が得られた。