表題番号:2017B-272 日付:2018/04/09
研究課題直接デモクラシー化する多数決型デモクラシーに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 池谷 知明
研究成果概要
 1990年代半ばの政治変動を経て、イタリアは第2共和制に移行したとされるが、それは合意形成型デモクラシーから多数決型デモクラシーへの転換をめざしたものであった。他方で、イタリアでは1970年代半ば以降、国民投票によって社会改革、政治改革を行ってきた。イタリア政治のさらなる特徴は、政治の個人化、ポピュリズムに見られるように、既存の政党・制度を経由せず民意を直接的に政治に反映させようとする、言わば非制度的直接デモクラシーの進行が見られる点にあろう。このようなイタリア政治の状況を踏まえて、本研究は2017年選挙法、2018年上下両院選挙に焦点を当てて、制度的・非制度的直接デモクラシーと間接デモクラシーである多数決型デモクラシーとの接近・融合について研究を行った。