表題番号:2017B-270 日付:2018/07/09
研究課題特徴あるローカル・ソーシャルキャピタルによるトランスナショナルな修復的和解の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 篠田 徹
研究成果概要
本研究は、修復的歴史和解の過程で特定地域が特異な経験をする理由を構造的に分析するため事例研究として、1955年に締結された長崎市と米国ミネソタ州都セントポール市の姉妹都市締結の歴史的経緯を検証し、この日米初の姉妹都市協定が、原爆投下と終戦からわずか10年で、なぜこの両都市で、どのようにして結ばれたのかを考察した。その結果この研究の仮説の一定の妥当性を確認した。すなわち両都市は、長年に亘るトランスナショナルなソーシャルキャピタルの多元的な蓄積を通じて、両国民の歴史的和解への内発的貢献に親和的な径路依存性を高めると同時に、修復的和解行動がより容易となる国内外の政治的機会構造に対応可能な権力資源を増やした。