表題番号:2017B-186 日付:2018/04/12
研究課題糸状菌によるバイオベース有用有機酸高効率生産を目的とした有機酸輸送系の機能改変
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 桐村 光太郎
研究成果概要
 本研究では、Aspergillus niger(クロコウジカビ)の有機酸輸送系の観点からクエン酸やシュウ酸生産の改変を目的とした研究を実施した。申請者らは、供試菌としてWU-2223L株(原株)を使用し、ミトコンドリア膜局在型の有機酸輸送系の1つ(仮称CXXA)に着目し、相当する遺伝子の破壊株(ΔcxxA)を作製した。ΔcxxAの表現型は原株のそれと同一であった。しかし、所定時間培養後のクエン酸生産量はΔcxxAでは約56%に激減していた。これは、CXXAをコードする遺伝子がクエン酸高生産に関与していることを明示した初めての成果である[1]。さらに、有機酸生産に有用なreversible decarboxylaseの機能を検証し[2]、シアン非感受性呼吸系酵素遺伝子とオキサロ酢酸加水分解酵素遺伝子を高発現させた株による高効率シュウ酸生産株の創製に成功した[3]