表題番号:2017B-090 日付:2018/04/02
研究課題ピュグマリオン的欲望の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 神尾 達之
研究成果概要
ピュグマリオン的欲望の発現形態は五つのフェーズに区分できる(1.脱神話化、2.女性の教育、3.メディア・テクノロジー、4.デジタル・テクノロジー、5.現実の世界へ)。欲望する主体はこれまで、フィクションの中でピュグマリオン的欲望が代行的に充足されるのを目撃していただけだったが、今や主体は自らのピュグマリオン的欲望を直接満たそうとする。虚構(女性像)から現実(生身の女性)への転化を描いたピュグマリオン神話そのものが、神話という虚構から行為という現実に転化している。欲望する主体が他者と構築する個別の現実が絶対化され、メタレベルから見れば、現実が複数の現実になっているという表象がしだいに強くなっている。