表題番号:2017B-065
日付:2018/03/28
研究課題社会デザインの心理科学とその応用
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 教授 | 竹村 和久 |
(連携研究者) | 慶應義塾大学 | 教授 | 坂上貴之 |
(連携研究者) | 徳山大学 | 准教授 | 井出野尚 |
(連携研究者) | 北里大学 | 教授 | 岩満優美 |
(連携研究者) | 愛媛大学 | 准教授 | 羽鳥剛史 |
(連携研究者) | 京都大学 | 教授 | 藤井聡 |
(連携研究者) | 九州大学 | 教授 | 横尾真 |
- 研究成果概要
本研究課題では、社会デザインの心理科学の構築に関して、(1)社会デザインにおける意思決定の心理フレームの検討、(2)社会デザインにおける判断と意思決定過程の解明、(3)社会デザインにおける心理と行動の計量分析と数理解析を行った。(1)の検討は、ゲーム理論の観点からいうと、ゲームの構造をどのように人々が把握し、どのような共有知識を持ち、どのような変化を経て、実際の行動選択を行うかということを明らかにすることを意味する。(2)の検討では、ある制度のもとでの社会的意思決定において、人々がどのように事態を把握するか、それがいかに行動選択につながるか、社会的な帰結はどうなるかを検討する方法論を構築しつつ、これらの問題を明確化する。そのためには、上記対象に関して、眼球運動解析や言語プロトコル法、情報モニタリング法などの過程追跡技法を用いた実験心理学研究、さらには、行動観察法、面談によるヒアリングや質問紙調査法を用いた研究を行った。(3)の検討では、これらの知見をもとに心理科学的モデルを作成し、数理解析技法を用いながら、当該の制度における社会的行動や社会心理を予測した。さらに、社会デザインの心理科学に関する応用研究においては、制度設計に関する心理フレームの研究知見をもとに、実際の社会における問題への応用を行った。具体的には、(4)消費者間相互作用への応用、(5)市民の地域社会問題への応用、(6)政策決定において不満を軽減する心理科学的意思決定方法論の開発、および(7)これらの知見をもとにした検討を行いながら、インセンティブの設計の背後にある「望ましい社会」や「望ましい組織」観の調査を行った。