表題番号:2017B-061 日付:2018/03/26
研究課題高度技術社会にみる共生思想と「脱人間中心主義的科学観」に関する比較事例研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 土屋 淳二
研究成果概要
 近代科学思想は,「人間-機械」,「精神-身体」,「人間-自然(環境)」,「野生-理性」といった二元論対立図式において人間性の優位をア・プリオリに前提してきた.しかし,今日の先端科学技術のフロンティアにおいて「人間」という存在概念がますます不確かなものとなり,「人間-非人間」カテゴリのあり方があらためて問われるなかで,近代の人間中心主義的科学観からのパラダイム転換が惹起されている.本研究では,近代科学思想のアンチ・テーゼたる「脱人間中心主義的(post-anthropocentric)科学観」が,「持続可能な社会の実現」という科学政策の基本課題を理念的に支える共生思想のパラダイム構成に寄与する点を比較社会学観点から検証した.