表題番号:2017B-041 日付:2018/03/13
研究課題戦国大名領国における訴訟と裁判の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 久保 健一郎
研究成果概要
 本研究では、戦国大名領国における訴訟・裁判において大名権力がどのように意思決定をしていくか、という問題に重点を置き、大名の隠居・当主の関係を検討した。
 その結果、隠居は当主の決定を最優先とし、みずからは隠遁の身であるとの自覚もあるが、当主に道理に合わない点があれば、「意見」を加えることを辞さないことが明らかとなった。こうした大名裁判の安定化や信頼性に影響を及ぼす事態について、従来は隠居が権力を手放さないことから生ずるといったレベルで捉えられていたが、本研究では当主権力を隠居・当主が分割・分担しているものと考えた。この点、大名権力の裁判、意思決定研究における成果といえる。