表題番号:2017B-031 日付:2018/04/07
研究課題日独比較法制度研究―ドイツ完全養子制度の実務運用から得られる日本法への示唆―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 助手 喜友名 菜織
研究成果概要
 本研究の目的は、ドイツ完全養子制度の展開ならびに成熟の過程を追い、わが国の特別養子縁組制度の理論・実践の両面における発展可能性を探究することにある。本研究の成果として、実親による適切な監護養育を期待し得ない子を救済するという未成年養子縁組の制度理念の実質化を図る上で、子・実親・養親という縁組当事者たる三者の利益調整の在り方が円滑な運用の中核を成し、かつ、子の出生経緯、養育環境および生育状態が、養子縁組への接続可能性の当否を決定づけるという視座を得た。ドイツにおける実地調査を通じて、運用の実態および喫緊の法的諸論点を詳らかにし、わが国の実情に即した養子制度を構想することを今後の課題としたい。