表題番号:2017B-025 日付:2018/04/03
研究課題モダニズム/エグゾティシズム研究――文学・芸術における「驚異」の概念と異化作用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 谷 昌親
研究成果概要
 2017年度は、ミシェル・レリスを主な研究対象とし、『ゲームの規則』第4巻の『囁音』のなかでレリスが、孤島に引きこもり「善良な未開人」でありつづけるといった安易なエキゾティシズムを批判し、超自然的な事柄に基づかない、日常的な生活のなかに見出される〈驚異〉を重視して、一種の交流を呼び込もうとしたことを確認した。こうした姿勢は断章形式の採用にもつながっている。
  一方、視覚芸術、なかでも映画を「異化」の観点から見直す研究も並行しておこなっており、エリック・ロメールやジャック・リヴェットが執筆した映画論から、映画作品を物語やテーマに収斂させず、映像どうしの相互作用のなかで見ていこうとする映画観を検討した。