表題番号:2017B-009 日付:2018/04/07
研究課題イノベーションと民主主義:グローバル競争下の成長と平等
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 真柄 秀子
研究成果概要

テクノロジーの急激な革新により、現代の成長パタンは過去と異っており、社会的影響にもかつての予想を超える変化がみられる。技術革新によって起こった亀裂の変化を反映し、政党は新しい投票者グループへの対応のあり方を探っている。本研究は、先行研究の成果を前提に、経済成長と政治をめぐるより包括的な分析枠組みを提出し、今日の資本主義デモクラシーが直面する問題のホーリスティックな理解を深める試みであった。経済成長を確立するには、様々な社会経済グループの中から新しい成長レジームを支持する連合を形成する必要があり、さらに亀裂構造は、経済発展に影響される選挙競争の条件変化および特定の社会グループのサイズや社会経済的位置に対応して変化する。重要グループの政策選好に応じて、政党は選挙連合の形成を目指して政策を変化させる。本研究は、技術変化が亀裂の変容をもたらし、それが選挙政治における社会的連合の再編を刺激し、その結果生まれた政権が成長モデルを選択し、再び技術を変化させるという一連のサイクルにおいて、亀裂が各国でいかなる形をとり、選挙政治を通じて成長にいかに影響しているかを分析した。