表題番号:2017B-002 日付:2018/04/03
研究課題イマジネールな知の行方 サンボリストとフランスの大学
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 岡山 茂
研究成果概要
サンボリスムにかかわる日仏の政治と文学、そしてサンボリストの大学との関係について調べ、次のような仮説を立てた。マラルメの「文学基金」は、韻律法の崩壊のなかにいる詩人を救うための「イマジネールな大学」であった。同じころ総合大学設置法によって再生する大学も、クリストフ・シャルルによれば「不可能な大学」であった。ベルナール・ラザール、フェリックス・フェネオン、マルセル・プルーストらはドレフュス派として、危機にあった「社会契約」を救うのに貢献する。彼らはマラルメがイギリスに見出した中世の大学と、カントがドイツで思い描いた近代の大学(デリダがいう「条件なき大学」)の、フランスにおける潜在的な「学生」であったのではないか。