表題番号:2017B-001 日付:2018/02/16
研究課題『消え去ったアルベルチーヌ』綜合研究―プルーストの意図・作品の自立・編集思想
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 徳田 陽彦
研究成果概要
20世紀最大の傑作のひとつのであるマルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の第6巻っ『消え去ったアルベルチーヌ』における最主要テーマである「忘却」をめぐって研究をおこなってきた。その目的の眼目は、ナタリー・モーリアックが「生前のプルーストの最終稿」として出版した『消え去ったアルベルチーヌ』は当初、作者プルーストが雑誌「レーズーヴル・リーブル」に宛てた「抜粋」であることを仮説を提示し、それを証明することであった。
とりわけモーリアック版には、「ヴェネチア滞在」の章で、忘却の第3段階の記述も削除され、主人公の重要なヴェネチア滞在中の記述、「サンマルコ寺院」の洗礼堂での記述が削除されている点、続編に継承されない欠陥である。