表題番号:2017A-032
日付:2018/04/09
研究課題光学活性ピラジノファンの創製とその不斉立体制御法の開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 教授 | 鹿又 宣弘 |
- 研究成果概要
- ピラジノファンはC2対称面不斉分子としてその動的挙動や不斉誘起能に興味がもたれるものの,合成例は皆無であった.我々はGlaserカップリングを鍵反応とする[10]パラピラジノファンの合成を検討した結果,前駆体である末端ジアルキンを酢酸銅とビピリジン存在下に分子内環化させることで,パラピラジノファンジインが良好な収率で得られることを見いだし,これらを還元して所望の[10]パラピラジノファンとそのメチルエステル誘導体の初の合成を達成した.[10]パラピラジノファンの面不斉反転における速度論解析を行った結果,類似のピリジノファンよりもラセミ化速度がかなり遅く,両者の活性化エントロピー項の違いが異性化速度の支配要因であることを明らかとした.