表題番号:2016S-094 日付:2017/04/10
研究課題古細菌アクチンの精製と解析-真核生物アクチンの起源を求めて-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 上田 太郎
研究成果概要
配列が多様でそれぞれが単機能という原核アクチンから、配列はほぼ単一でありながら多機能という真核アクチンがどのように進化したのかは、真核生物の起源を考えるうえできわめて興味深い問題である。最近、真核生物の起源に近いと考えられる古細菌Lokiarchaeumのゲノムが発見され、Loki actinの配列は、原核アクチンでありながら真核アクチンのそれときわめて類似していた。そこで本研究では、このLoki actinを組換えタンパク質として調製し、その性質を生化学的、生物物理学的に解析することで、原核アクチンと真核アクチンの関のギャップを埋め、真核アクチンの起源を探る。予備的実験において、大腸菌を用いた発現系でLoki actinを発現しても不溶性となってしまうことが分かっていたが、本研究で細胞性粘菌を使った真核細胞発現系を用いたところ、可溶性タンパク質として精製することができた。今後はさらに発現系をリファインし、生化学的・構造生物学的な解析に進みたい。