表題番号:2016S-035 日付:2017/04/10
研究課題エジプト初期王朝時代における石製容器製作技術の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 助手 竹野内 恵太
研究成果概要

 2016年度ではエジプト初期王朝時代における石製容器の製作技法の復元を目的として、メンフィス地域に所在するアブ・ロアシュ遺跡M墓地出土石製容器の図面化・計測・観察を実施した。結果、円筒形壺および鉢類といった器種ごとの製作プロセスと石材ごと(トラバーチン・泥岩・凝灰岩)の技法選択上の差異を明らかにした。また、容器サイズや器厚といった属性と研磨方法との相関性も観察することができ、これまで不明瞭であった当該期における石製容器の大量生産化の実態を製作技法から考察できる素地を得た。この成果は国内外の学会および論文にて発表予定である。加えて、生産システムが大量生産化へと変容する背景・動機となる需要面についても分析と考察を進めることができた。