表題番号:2016S-017
日付:2017/03/01
研究課題大学を中心とする戦間期フランス第三共和制憲法学の知識社会学的研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 法学学術院 法学部 | 助手 | 春山 習 |
- 研究成果概要
本研究の目的は、第三共和制憲法学がいかに成立し、展開したかを大学との関係で考察するものである。その結果、第三共和制憲法学の成立は、制度的には、学士課程の必修科目として憲法学講座がパリ大学に設置された1889年に、理論的には、アデマール・エスマンの『憲法原理』が出版された1896年にメルクマールを見出すことができることを明らかにした。そこでは、従来Guillaume Sacristeによって主張されていたような、共和派によるイデオロギー教育の一環として憲法学講座を把握することの一面性が明らかになった。1870年の普仏戦争での敗北以来、フランスで行われていた大学改革の文脈を無視することはできないからである。今後も歴史的側面と理論的側面の両面から、憲法学の歴史について研究する予定である。