表題番号:2016K-367 日付:2017/04/09
研究課題カンボジア内戦期における子ども兵の実態調査
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 平山郁夫記念ボランティアセンター 助教 島崎 裕子
研究成果概要
 カンボジアは20年近くにわたって繰り広げられていた内戦期に多くの子ども兵が徴収された。当時の資料や証言は、主に欧米の研究機関によって集められており、当事者からの視点で語られているものは限られる。よって、元子ども兵の当事者らに対して聞き取り調査を実施し、当時おかれていた社会環境の実態調査ならびに除隊後の生活に関する調査を遂行することは、カンボジアの復興と平和構築の実情を捉えるにあたり重要な役目を果たすものを考えられる。
 調査の結果、元子ども兵らは農村出身で経済的および相対的貧困世帯の子どもであったことが浮かびあがった。また地雷などで負傷し、生活再建に極めて困難が強いられている者がかなりの数にのぼり、その後も心身共に表れる後遺症に悩まされ、現在も引き続き、貧困が再生産され続けている実態が明らかとなった。今後、カンボジアの平和構築を考えるとき、元子ども兵の問題は、今も現存する社会問題として取り組んでいく必要がある。