表題番号:2016K-349
日付:2017/03/31
研究課題児童ポルノ処罰法の問題点
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等学院 | 教諭 | 川田 泰之 |
- 研究成果概要
- 児童ポルノの単純所持が処罰の対象とされ、非実在少年を客体とする児童ポルノを処罰の対象とすることが議論されている今日、現行の児童ポルノ処罰法に対する批判的な検討は必要不可欠である。ドイツ刑法184条bの1項「チャイルドポルノ(Kinderpornographie)」に関する議論などを参照して、次の結論に至った。すなわち、判例・通説によれば、刑法のわいせつ罪の保護法益は社会的な利益であるが、児童ポルノ処罰法の保護法益は少なくとも一次的には児童の権利である。したがって、具体的に児童の権利を侵害しない諸行為に対しても規制を加えることは無用な自由権の侵害となるから、許されない。