表題番号:2016K-348 日付:2017/04/11
研究課題古代東アジアにおける外交使節の比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 柿沼 亮介
研究成果概要

 私は、古代の外交使節の入境経路や発着地における外交機能・儀礼のあり方を検討することで、古代国家における外交権のあり方と、地方支配の関係の解明を目指し、律令国家における外交権は、中央によって完全に掌握されたものではないのではないかという仮説について、個別的な地方ごとの事情を分析している。本研究では、日本の遣唐使の中国国内での動向や現地での儀礼について、唐代の交通事情や行政のあり方についての第一級史料である円仁の『入唐求法巡礼行記』の分析と、円仁が唐においてたどった行程の調査を行うことで、日本にやってきた外交使節をどのように遇していたかなどを想定する基礎資料とした。