表題番号:2016K-330 日付:2017/04/04
研究課題感染症対策をめぐるグローバルヘルス・ガバナンス~エボラ出血熱への対応を事例として
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科 教授 勝間 靖
研究成果概要
 2014年、エボラ出血熱は、西アフリカで多くの命を奪った。2016年1月までに、2万8千人以上の感染者、1万1千人以上の死亡者を出さなくてはならなかったのは、なぜか?この疑問へ回答するため、2015年度、ニューヨークで国連に、ジュネーブで世界保健機関(WHO)や国境なき医師団に、ギニアの首都コナクリで回復者・医療従事者・政府・NGO・国連機関にインタビューを実施した。
 本研究では、まず、西アフリカにおける感染拡大とそれへの対応の経緯を振り返った。そして、①なぜWHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern: PHEIC)」を宣言するのに遅れたか?、②なぜ国連事務総長は国連エボラ緊急対応ミッション(UN Mission for Ebola Emergency Response: UNMEER)を設置しなくてはならなかったのか?、という二つの研究問題に答えた。そのうえで、ギニアの事例から得られる教訓をもとに、グローバルヘルス・ガバナンスを改善するため、いくつかの提案をおこなった。
 主な研究成果は、以下の論文として刊行された。
Yasushi Katsuma (2017). "Ebola virus disease outbreak in Guinea in 2014: Lessons learnt for global health policy," Journal of Asia-Pacific Studies, No.28, pp.45-51.