表題番号:2016K-284 日付:2017/03/24
研究課題機能性食品成分の抗老化効果に関する総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 千葉 卓哉
研究成果概要
 カロリー制限(CR)は、実験動物の老化を遅らせ、寿命を延長させる最も確実な介入方法である。その抗老化作用に関連するシグナル伝達系はまだ不明な点が多いが、酸化ストレスの抑制が重要であることが示唆されている。そこで本研究では、培養細胞に紫外線(UV)を照射して酸化ストレスを誘導し、食品由来成分であるタウリン(Tau)がその酸化ストレスの蓄積を軽減するかを解析した。
 その結果、UV処理細胞と比べ、Tau + UV処理細胞では酸化ストレスが抑制されていることが示唆された。タンパク質レベルでは、チェックポイントタンパクであるp-Chk1がUV未処理の細胞に比べ、UV処理細胞において発現が亢進した。タウリン処理はこのChk1のリン酸化を低下させたことからも、タウリンによる酸化ストレス抑制作用が示唆された。これらの結果から、タウリンがCRの抗老化作用を一部模倣することが可能であると示唆された。