表題番号:2016K-261 日付:2017/04/10
研究課題制度論的個人主義の社会科学への応用に関する哲学的考察
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 講師 吉田 敬
研究成果概要
 本年度は制度論的個人主義を社会科学に応用するにあたって、合理的経済人の仮定をめぐる最近の論争について検討を行った。この仮定に代わるものとして、ハーバート・サイモンは限定合理性という概念を提案した。近年ではサイモンの批判を引き継ぐ形で、実験経済学や行動経済学においても合理的経済人の問題点が指摘されている。このような研究を踏まえて、最近ではハーバート・ギンタスたちによって、強い互恵性という新しい概念が提唱されている。しかし、この概念には様々な疑問や批判が寄せられており、制度論的個人主義と関連づけるにはさらなる考察が必要である。