表題番号:2016K-259 日付:2017/03/14
研究課題為替介入政策に対する新しい評価方法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 北村 能寛
研究成果概要
本研究は、日本の為替介入政策に対し、実証的評価を行うものである。日本では、財務省の依頼をうけるかたちで日本銀行が実際の為替介入を行う。本研究の新奇性は、為替レートがある閾値に到達する確率が、為替介入により変化したかに注目することである。この確率は、その時点での為替レート水準のみならず、為替レートの趨勢(trend)ならびに拡散(diffusion)項に依存する。この確率を用いる利点は、為替レートの水準ならびにその拡散(分散)を包括的に考慮し、為替介入政策を評価することが出来る点である。

すなわち、為替レート水準を円安の訪欧へと誘導することには成功したが、それと同時に、為替レートの値動きが激しくなり市場の不確実性が増したという、相対する2つの状況が生じた場合であっても、本研究の手法を用いれば、それらを包括的に考慮し、為替政策の有効性を議論することができる。