表題番号:2016K-221
日付:2017/04/08
研究課題金属ナノ構造体における光励起状態の機能制御
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 教授 | 井村 考平 |
- 研究成果概要
- 金属ナノ構造体に光励起される自由電子の集団振動は光電場を増強する。増強電場は,分子と強く相互作用しラマン散乱や蛍光を増強する。ナノ構造の光励起状態を効率的に利用するためには,その空間と時間特性を同時に可視化し理解する必要がある。本研究では,時間分解近接場光学顕微鏡を用いて金属ナノ構造体の光励起状態の動的空間特性の可視化を目的とした。金属ナノプレートの近接場透過像は,プレート形状とは異なる特徴的な空間特性を示す。理論計算から,観測される空間構造はプレートに励起される固有関数の二乗振幅に帰属されることを明らかにした。また,時空間計測を行い光励起状態の寿命がプレートの内部位置に依存して変化することを明らかにした。以上の結果は,金属ナノ構造体の光励起状態の利用において重要な指針となる。