表題番号:2016K-214 日付:2017/03/20
研究課題テルル系カルコパイライト薄膜の開発と高効率太陽電池応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小林 正和
研究成果概要
Te系I-III-VI2族カルコパイライト材料のなかでもAgGaTe2は室温でのバンドギャップが1.3eVと太陽電池応用に適している。しかし、ソースにAg2TeとGa2Te3の混合粉末を用いて、Ag2Te中間層上に堆積させているため、ストイキオメトリ制御が難しく、Ag2TeやAgGa5Te8といった副生成物が生成されやすい。そこで本研究ではそれぞれの膜厚をコントロールすることで組成制御が比較的容易に行えるGa2Te3/Ag2Teという2層構造に着目し、AgGaTe2薄膜の形成をGa2Te3/Ag2Teを連続して堆積させることにより試みた。Ag2Te層上にGa2Te3層を堆積させた膜は、AgGaTe2由来のピークのみが表れた。このことよりGa2Te3堆積中にGa2Te3の堆積とGa2Te3/Ag2Te層の再結晶化が同時に起こり、結果としてAgGaTe2膜が形成されていることが明らかとなった。